いつも読んでくださってありがとうございます。
小3で突然始まった息子の不登校と自傷行為(自分の頭を叩く)に直面し、WISC-IV検査で「言語理解と処理速度の差が44」という現実を突きつけられました。
この経験と、そこから導き出した学習戦略をまとめたKindle本を出版したところ、アメリカやブラジルなど海外からも反響をいただきました。国を問わず、学校との関係や「わが子の守り方」に悩む親御さんの多さを改めて痛感しています。
本の中では、私が絶望の中で「耳読」によって得た知識や、人生全体の戦略を記しました。しかし、本を出した後に届いたのは、より具体的で、切実な問いでした。
- 「明日、担任の先生に電話をかける時に、具体的に何と言えばいいのか」
- 「周りからズルいと言われた時、子どもにどう返させればいいのか」
学校の先生は「敵」ではありません。ただ、やり方がわからないか、多忙で余裕がないだけであることがほとんどです。だからこそ、親側が戦略的に「交渉の土俵」を作り、先生の負担を減らす提案をする必要があります。
この記事では、テストの延長や板書の軽減、ぬいぐるみの持参などを学校に認めさせるまでに私が実際に行った「交渉のセリフ」「連絡帳の書き方」「面談のメモ」を、そのまま使えるマニュアルとしてまとめました。
今まさに現場で立ち往生しているお母さんの「実戦の武器」として活用していただければ幸いです。
第1章:「わかっているのに書かされる」という拷問からの解放
WISC検査で「処理速度」が低く「言語理解」が高い息子にとって、学校の授業は時に非常酷なものでした。
息子は処理速度が低いので、黒板の文字をノートに写さなければならないことや、漢字のトメ・ハネ・ハライ、バランスを考慮して早く書くという行為が、本人にとってものすごいストレスであり、できない自分へのイライラが自傷行為の引き金になっていました。
【具体的な交渉と対策】
- 口頭指示の視覚化: 視覚優位のため、口頭指示を聞き逃さないように「次にやることを黒板に書いてほしい」と依頼しました。
- 板書の軽減とテスト時間の延長: 板書が間に合わないため、「書けるところまで書く」で許容してもらいました。
- 漢字の厳しい指導の免除: 書くことよりも、授業内容を理解することにエネルギーを使わせるための環境調整です。
第2章:交渉の土俵を作る「アポ取り」の鉄則
学校側も多忙です。文字だけで戦わず、こちらの態勢を整えることが第一歩です。
連絡帳に細かいことは書かない
文字だけのコミュニケーションは本意が伝わりにくく、誤解を生みます。連絡帳には以下のように、面談の打診のみを簡潔に書きます。
【連絡帳のテンプレート】 「〇〇についてお話ししたいので、面談をお願いできますか?まずは電話でお打ち合わせできればと思いますが、本日の何時頃にお電話可能でしょうか」
電話のゴールデンタイムは「16時」
経験上、先生が少し落ち着く16時頃が最もつながりやすいです。学校は回線が少なく、折り返しをもらっても仕事中で出られないことが多いので、電話をする時は自分の仕事を調整し、確実に話せる時間を確保します。
最後は必ず「対面」で
忙しいのですぐの面談が無理と言われたら、とりあえず電話で状況を話して交渉します。しかし、その後は必ず面談を実施します。電話では伝わらない非言語コミュニケーションが、お互いの信頼関係構築に役立つからです。
第3章:面談当日の「省エネ&確実」な立ち回り術
面談の場では、親の労力を最小限に抑えつつ確実に要望を通す準備が必要です。
1. メモは堂々と読み上げる
頼みたいことはすべてメモに書き出し、それを見ながら話します。 最初に「緊張して言いたいこと言えないと困るので、メモ見ながら話しますね」と言えば、先生も何とも思いません。言い忘れて後から何度も電話されるほうが、先生にとってはよほど迷惑になります。
2. 検査結果は「提出用コピー」を事前準備
WISCの検査結果の紙などは、あらかじめ学校控え用のコピーを持参して渡します。先生がわざわざコピー機へ行く手間を省くための配慮です。
3. SC(スクールカウンセラー)の予約は「その場」で次を取る
スクールカウンセラーは非常勤で連絡がつきにくいです。面談予約の電話をすること自体がものすごく労力を使うため、次に特に話したい事が決まっていなくても、終わりのタイミングで「とりあえず2ヶ月後」など、次回の面談予約をあらかじめ入れてもらいます。
第4章:厳しい指導とルールを突破する交渉フレーズ
感情ではなく「エビデンス」を使う
先生の厳しすぎる指導に対し、「そんなことしていません、みんなと同じ指導です」と言われることがあります。そこで怒っても仕方ありません。
【交渉のセリフ】 「検査結果や精神科医師の指示から、激しい指導は本人のストレス反応を助長するため控えてほしいです」
このように、客観的な事実(エビデンス)としてお願いします。 ただし、医師の診断書を最初に出すのはやめたほうがよいです。相手が身構えるため、最後のカードとして取っておき、まずは検査結果の紙を先に出します。
「持ち込み禁止」を覆す三方よしの提案
できない自分にイライラして自分を叩くと、音が響いて周りにも迷惑がかかります。
そこで「音が出ないぬいぐるみを持参して叩けば静かで、みんなのためにもなる」と交渉し、許可を得ました。結果的に、そのかわいいぬいぐるみにクラスメイトが集まり、交流のきっかけになりました。
おわりに:さらに詳しく知りたい方へ
今回の記事では、学校との「交渉術」に特化してお伝えしました。私が不登校や自傷行為をどう乗り越えたのか、その全記録や具体的な学習戦略については、Kindle本にまとめています。
▼発達凸凹育児で「もう限界」と思ったら読む本: 不登校、自傷行為、学校とのやり取りから親子の笑顔を取り戻すサバイバル術
https://www.amazon.co.jp/dp/B0GNMHBBLG
2月に出版しておかげさまで海外からも反響をいただき、現在、英語版・中国語版、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、フランス語、ドイツ語版も展開しています。もしよかったら読んでください。
いざという時の「お守り」や「実戦マニュアル」として、限界を迎える前にぜひ手元に置いてご活用ください。

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