来年の中学校進学に向けて、先日、息子の「就学相談」に行ってきました。 事前に受けたWISCの検査結果を持参し、これまでの詳しい経過や、息子が何に困っているか(処理速度の凹みなど)をしっかり伝えてきました。
結果から言うと、親が期待していたものと、行政(学校)のシステムには、大きなズレがあることがハッキリとわかりました。 これから就学相談を控えている方の参考になればと思い、わかった事実を記録しておきます。
1. 中学の通級は「集団指導のみ」だった
現在、小学校の通級では「個別指導」と「集団指導」を合わせて2時間利用させてもらっています。息子にとって、この「個別に話を聞いてもらえる時間」が大きな心の支え(安全基地)になっていました。
しかし、面談で言われたのは「中学校では週に1〜3時間程度で、集団指導のみになります」という事実。 パンフレットには「個別指導もある」ようなニュアンスで書かれていたのですが、息子のケース(あるいはその地域の実態)では、集団指導一択になるようです。
そもそも、通級を利用する子たちは、多動だったり、コミュニケーションが苦手だったり、言葉の遅れがあったり、息子のように言語理解だけが極端に高かったりと、抱えている事情も特性も本当にバラバラです。個別性がものすごく高いからこそ支援が必要なはずなのに、中学校のシステム上は「この曜日のこの時間」と一律に枠が決められ、そこに空いている生徒を全員集めて、一斉にソーシャルスキルトレーニングをやるのだそうです。
話を聞きながら、心の中で「いやいや、それって構造的に無理じゃね?」とツッコミを入れてしまいました。 原因も困りごとも全く違う子たちを一つのグループにまとめて同じ練習をしても、噛み合うわけがないと思うのですが。でも職員の数にも限りがあるだろうから仕方ないのかもしれません。
2. 就学相談は「配慮を決める場」ではない
私が今回一番聞きたかったのは、「中学校に入ったら、具体的にどこまで合理的配慮(時間延長やタブレットの活用など)をしてもらえるのか?」ということでした。
しかし、この相談窓口はあくまで「通級を利用したいですか? どうしますか?」という意思確認の場に過ぎませんでした。 ここで「利用希望」を出せば、さらに教育委員会で審査されて決定する、というお役所的なルートに乗るだけ。具体的な配慮についての取り決めができる場ではなかったのです。
ちなみに、「中学に入ってからやっぱり通級を使いたい」となった場合、途中からの利用申請も可能だそうです。ただ、また教育委員会の審査を通すため、実際に利用できるまでにはかなり長い時間がかかるとのことでした。
3. 「僕はもう治ったから」息子の鮮やかな決断
こうした状況を踏まえて、我が家はどうするか。一番の当事者である息子本人に「中学で通級を使いたいか?」と聞いてみました。
すると、息子から出た言葉は「僕はもう治ったから、中学では通級を使わなくても大丈夫」という力強いものでした。
思えば、4月に薬をやめる決断をした時、彼は「僕は今、限りなく普通に近づきつつあるから」と自己分析していました。そこからさらにフェーズが進み、ついに自分の中で「治った(自分の特性のトリセツを完全にマスターし、システムへの適応が完了した)」と結論づけたようです。
この本人の頼もしい自己評価もあり、我が家は「中学校では通級は利用しない」という方向で決まりました。
4. 合理的配慮は、入学後に担任と「直談判」するしかない
では、WISCの結果に基づく配慮はどうなるのか。 結論から言うと、「入学してから、担任の先生と直接話し合って交渉するしかない」というのが現実のようです。
一応、小学校から中学校へ「引き継ぎ(申し送り)」の経過報告はいくそうです。でも、中学校の先生の激務を考えれば、入学式前から生徒一人ひとりの細かい特性ファイルなんて、じっくり読み込んでいる余裕はないのが現実でしょう。
「入学前に、息子の特性を学校全体で理解しておいてほしい」と願うのは親心ですが、システム上、それは無理なのだと悟りました。 本当に必要な配慮は、学校が始まってから、親が直接担任を捕まえて直談判するしかない。不安は尽きませんが、これが今の公立中学校のシステムである以上、「まー、仕方ない」と割り切るしかありません。
とりあえず、就学相談という一つの大きな山は越えました。 春からは、通級という補助輪を外し、自分の足で中学校のシステムに挑む息子の姿を、ハラハラしながらも見守っていこうと思います。


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