【ギフテッド2E】キッチンに鎮座する抜けた歯と、小6息子が「中学の通級」を手放す独自のロジック

こども

毎日仕事とギックリ腰の激痛に耐えながら、ディスクレパンシー50の小6息子と中学生の長女の終わらない勉強の管理に追われる日々。心身ともに限界ギリギリで回している我が家ですが、そんな疲労困憊の日常に、小6の息子がまたしても斜め上の笑いと感心を放り込んできました。

今回は、そんな息子の「独特な思考回路」と逞しい成長を感じた、最近の出来事を残しておこうと思います。

キッチンのカウンターに「鎮座」する歯

先日、学校で息子の歯が抜けました。 抜けた歯を小さな袋に入れて持ち帰ってきたのですが、帰宅するなり彼が言い放った言葉がこれです。

「ママ、一定期間、歯をそこに飾ったほうがいいと思うからここに置くね」

まるで美術館の展示スケジュールを取り仕切る学芸員のような堂々たる宣言とともに、我が家のキッチンカウンターの一角に、ポツンと抜けた歯が鎮座することになりました。

…一体、どういう思考回路なのでしょうか。 昔からある「上の歯は床下へ、下の歯は屋根の上へ」という風習を彼なりに現代的かつ衛生的に解釈したのか、それとも大人の階段を登った「実績解除のトロフィー」として展示したかったのか。

なにより面白いのが「ずっと」ではなく、「一定期間」と自ら期限を区切っているところです。彼の中ではすでに展示のロードマップが決まっており、期間が終われば速やかに撤収される予定のようです。

よたよた歩きで「牛乳」を運んできた日

このシュールな展示品を眺めながら、ふと彼がもっと幼かった頃の出来事を思い出しました。

お姉ちゃん(長女)が小学1年生のとき、初めて歯が抜けた日のことです。 当時まだ3〜4歳だった息子は、お姉ちゃんの歯が突然ポロリと取れたのを見て、ものすごく驚き、大パニックに陥りました。幼児の目には、大切な家族の体の一部が欠損するという大事件に映ったのでしょう。

しかし、ただ泣き叫ぶだけではないのが彼の面白いところです。 パニックになり、ひどく焦りながらも、彼はこう言いました。

「〇〇ちゃん、牛乳飲んだほうがいいよ!!」

そして、よたよたとした足取りで、必死にお姉ちゃんのもとへ牛乳を運んできたのです。 「歯が抜けた(ダメージを受けた)=修復するにはカルシウムが必要だ=牛乳だ!」という、幼児ながらに見事な論理的思考(ソリューション)が弾き出された瞬間でした。

中学の通級はどうする?息子の出した答え

「緊急事態だ!」とパニックになって牛乳を運んできたあの日から数年。 今では自分の歯が抜けたことを「正常なアップデート」として冷静に受け止め、あろうことかキッチンに期間限定のエキシビションとして展示するまでに成長しました。

そんな予測不能で独自のロジックを持つ息子ですが、もうすぐやってくる「中学進学」に向けても、彼らしいシビアでちゃっかりした決断を下しました。

前回もお伝えしましたが、中学校での「通級」の利用について本人と話し合ってみたところ、彼が出した答えは「中学では通級は使わない」でした。

数ヶ月前にお薬をやめることになった時も、「僕は今、限りなく普通に近づいている」と冷静に自己分析していた彼ですが、ついに「本人がもう、僕は治ったから!」という力強い宣言が出ました。

もちろん、特性そのものが魔法のように消えるわけではありません。 でも私から「誰だってトラブルが起きる可能性はあるよ。でも、自分なりの処世術を身につけてきたんじゃない?」と伝えると、どうやら学校という環境の中でうまく立ち回るスキルを獲得したことが、「治った!」という彼なりの大きな自信に繋がっているようです。

保険は最後まで使い切る、ちゃっかりとした計算

実は、学校の先生からも「今の小学校の通級も、もういらないかもね」と言われたらしいんです。 でも、それに対する息子の反応がまた彼らしくて。

「それなら、小学校の間はきっちり最後まで通いたい。だって、またいつトラブルに巻き込まれるかわからないから」

中学の通級は使わないと決める一方で、小学生の間は「万が一の保険」として使えるセーフティネットを最後までしっかりキープしておく。なかなかのちゃっかり者ですよね。

どうやら彼なりにものすごくシビアに計算しているようです。 一番近くでお姉ちゃんのことを見ていたから、中学が小学校とは違うこと、大変な環境だということもちゃんと理解しています。 その上で、中学の通級は小学校と違って「個別指導」がないことも知っていて、「個別がないなら、行くメリットはないな」と見極めたようです。

新しい環境のシステムを理解して、自分にとって必要なものとそうでないものを冷静に振り分ける。そして、使える保険はきっちり使い切る。

疲れた日常の、最高の処方箋

抜けた歯を「一定期間」だけ展示するのも、通級を「リスクヘッジ」として使い倒すのも、すべて彼の頭の中にある独自の計算に基づくもの。

親が思う以上に、自分の頭でいろいろと考えて処世術を身につけているんだなあ、面白い子だなあと、なんだか感心してしまいました。

相変わらず斜め上をいく思考回路ですが、毎日の激務と腰の痛み、そして思春期の娘の学習管理で息が詰まりそうになっている私にとって、こういう息子の姿は、ふっと肩の力が抜けて笑ってしまう最高の処方箋です。

とりあえず、彼が定めた「一定期間」が無事に終了するまでは、キッチンカウンターの隅っこでこの小さな展示品をそっと見守りつつ、彼のこれからの逞しいサバイバル術に期待したいと思います。

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