ブログ読者の皆様、いつもありがとうございます。 今日は、息子の発達の凸凹(特性)に関する、ひとつの大きな区切りについての報告です。
小学3年生の終わりからチックの症状で飲み続けていた「インチュニブ」を、約2週間前から完全にやめました。
結論から言うと、**「特に何も変わらない。学校も問題なし。任務完了!」**という、非常にフラットで平和な状態に落ち着いています。
服薬を開始する時も悩みますが、「いつ、どうやってやめるか」も親としては非常に悩ましい問題です。我が家のケースが、今まさに悩んでいる誰かの参考になればと思い、この数年間の「急性期からの撤退戦」を記録しておきます。
1. 「一番困っていた時期」のインチュニブの威力とトレードオフ
服薬を始めた小3の終わり頃は、まさに我が家の「急性期(炎上状態)」でした。特に音声チックの症状が出ており、本人のしんどさを物理的に取り除くために服薬を決断しました。
インチュニブの効果は、一番困っていた時期には、ものすごくよく効きました。 飲み始めてすぐに音声チックは消失。システムのエラーが物理的に強制シャットダウンされたような感覚です。
ただし、強力なツールには当然「トレードオフ(代償)」があります。 飲み始めの数日はものすごい眠気との戦いで、その後も鎮静気味になり、息子の持ち味であった「元気さ」がなくなってしまいました。 親としては少し「かわいそうだな」と心が痛む瞬間もありましたが、まずは燃え盛る火を消すことが最優先だったため、服薬を継続しました。
2. 薬の鎮静効果を利用して「環境調整」を一気に進める
ここで重要だったのは、**「薬だけに頼らなかったこと」**だと思っています。
薬で本人の過覚醒が落ち着いている間に、周囲の「環境調整」を徹底的に進めました。 通級の利用を開始し、学校側と交渉して「できないことで叱られないシステム」を構築。本人の無駄なエネルギーの消耗(摩擦熱)を極限まで減らしました。
すると、環境が最適化されたことで友達関係もうまくいくようになり、あんなに苦手だった漢字の学習などもできるようになっていったのです。 薬はあくまで「橋渡し」であり、その間に本人が生きていきやすい環境を整えるのが、親(マネージャー)としての最大の任務でした。
3. 1年半後、お調子者の「ひらめき」が完全復活
環境調整が回り始めると、服薬から1年半後くらいには、鎮静気味だった性格も完全に元通りになりました。 息子特有の「お調子者のひらめき」や、恐竜やゲームの歴史を語り出すあのユニークなエネルギーが、薬を飲みながらでも全開で発揮されるようになったのです。
この頃には、主治医からも「もう薬をやめてもいいよ」と言われていました。 でも、親である私の方が「調子に乗りすぎるところがあるから、またシステムが崩壊するのでは…」とリスクを恐れ、心配で飲ませ続けていたのが実情です。
4. 息子からの「直談判」と、服薬卒業後の現在
そんな中、つい先日、決定的な出来事がありました。 通院の際、息子が自分から主治医に向かって**「薬を飲まずに様子を見てみたい」**と直接訴えたのです。
親の管理下から離れ、自分の身体と特性を自分でモニタリングし、自分で環境をコントロールしようとする。その自立のサインを見た時、「あ、もう私が無理に管理しなくていいんだな」と明らめる(手放す)ことができました。
やめてから約2週間経ちますが、本当に特段の変化はありません。 やや調子に乗りすぎてうるさい時もありますが、自分のやるべきタスク(宿題など)はきちんとこなしているので、「まいっか」と見守っています。本人に聞いても「やめてからも特に変わらない」とケロッとしています。
おわりに:必要な時は、また外部リソースを頼ればいい
今回、服薬を卒業できたのは「特性が治ったから」ではなく、**「自分の特性の波を乗りこなす環境とスキルが整ったから」**です。
これで完全に終わりだとは思っていません。成長の過程で、またシステムにバグが起きることもあるでしょう。 でもその時は、また躊躇なく通院し、医師という「外部のプロ」に相談して、必要なツール(薬)を使えばいいだけです。
「いつでも戻れる安全網」があるからこそ、今は薬なしの丸腰で、彼の「お調子者のひらめき」を面白がりながら観察していこうと思います。

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